釣り具のカタログやネットでの記事等のロッド関連のところで、たまに見かける事のあった「バイトを弾かない…」というフレーズがあります。おそらく「バイトを弾かない」でネット検索してみても色々出てくるかと思います。でも、僕はそれが実際にはどういう事なのかよく理解していませんでしたし、理解しようともしていませんでした。
が、そういう事か!と思えた事があるので、今記事ではそれをまとめてみます。
「バイトを弾かないロッド」に意識が行った経緯。
僕が海のルアー釣りでヒラスズキを狙っていた時の事…。
結構連続してバラした時がありました。その時の特徴が「ヒット直後、もしくはヒット後の数秒のファイトでバレる」という感じでした。
そこで僕は釣友と話したのですが、釣友は「やっぱりロッドじゃないかなぁ」と言いました。因みに、僕が連続してバラした時に使っていたロッドは、わりと硬いロッド、部類では一応ショアジギングロッドとされているロッドでした。因みにその時使っていたロッドは「ダイワ ロッド ジグキャスター MX 106MH」です。でも、ヒラスズキ狙いにしてはそこまでガチガチに硬いロッドに思えまえんし、実際にヒラスズキを連続で釣った事もあります(
参考記事)。
でも実際にあった、連続して同じ様な感じでのバラし…。因みにヒラスズキ釣りは1日1バイトに終わる事も珍しくない釣りです。その中での連続バラしは精神的にも結構キツいものです。故に釣友が言った「やっぱりロッドじゃないかなぁ」が結構響き、そしてその釣友との会話から「バイトを弾かないロッド」という事に意識が行く事となりました。
「硬めなロッド」=「バレる、バレやすい」、それから浮かぶ「バイトが浅い」という事。
つまり、ショアジギングロッドの様にわりとティップまで硬めなをロッドだと、ヒラスズキを釣るにはそれが不利な点になる時もあるのではないか、という事です。因みに、ティップまで硬めなショアジギングロッドはよく青物狙いのロッドとして使われています。それで、その青物とヒラスズキを釣るに当たっての魚の特徴として大きな違いがあるとすれば、青物はヒット時にエラ洗いをしませんが(似たのもする青物は居ると思いますが)、ヒラスズキに関してはヒット直後に高確率で「激しいエラ洗いをする」という事でしょうか。それなので、青物を釣るには硬めなロッドでも対処しやすいと思いますが、ヒラスズキに関してはしっかりフッキングしていないとエラ洗いによりフックを外されてしまう事が多いのではないかと思いました。
それならば、ヒット時にちゃんとフッキングすればいいのでは?となるのですが、ヒット直後に思いっきりフッキングしようとすると外れてしまったりする事もあり、これはそもそも魚からのバイトが浅いのではないかと思いました。では何故、バイトが浅くなってしまうのでしょう…。
魚からのバイトが浅くなる理由と考えられる事。
これは今記事のテーマ、バイトを弾かない事、に繋がる様に思います。
想像してみて下さい。
コップに注がれた透明の液体、もしそれを水だと思って飲んだ時、実は焼酎だった、なんて事があったら。おそらく、大概の人は0.何秒かの瞬時に吐き出す動作に出ると思います。これ、魚も同じだと思うんですよね。口に入れたものがおかしければ瞬時に吐き出そうとすると思うんですよ。
ここに、ロッドの硬さと魚からのバイトの浅さの関わりがあると思うのです。魚がルアーをくわえた時に違和感を感じれば瞬時に魚は吐き出そうとすると思うのです。実のところ、使うルアー自体が硬いものがほとんどなので、それ自体でも違和感を与える確率はあります。でもそこに更にロッドの硬さによる抵抗が加わってしまえばより魚には違和感を与える確率が高くなるのではないでしょうか。ならば、その確率を下げられると予測出来るロッドの硬さ等は可能な限り改善するべき事に思います。
それならば、魚がおかしいと吐き出そうとする動作の前にフッキング出来れば問題のない事に思いますが、前述した水と焼酎の事を想像してもらえれば、違和感を感じて吐き出そうとするまでのその時間の無さから、かなり難しい事にだと判断出来ると思います。フッキングしようとした時にはもう吐き出そうとしていると思うのです。その吐き出そうとした状態では、フッキングも甘くなりそうですよね。
また、グワッとルアーに噛み付いて来た時もそのまま反転してくれれば深いフッキングになる事も考えられますが、グワッと噛み付いた時に魚が反転もせずにあまり動かない様なバイトの場合、魚が違和感を感じ吐き出そうとしていたとすれば、深いフッキングにはなりにくいと思うのです。
これはついばむ様なショートバイトがある時も同じ事が言えると思います。ショートバイトをしている時に抵抗が強ければそれが魚への違和感になり魚が離れてしまう事もあるでしょう。
つまり、「魚からのバイトを弾かないロッド」とは…
- 魚からのバイト(ショートバイトも含め)時に魚に違和感を与えにくいロッド
- 違和感を与えない事によって深いバイトのままフッキングに持ち込めるロッド
と、なります。
これ、実は前述した僕がバラしまくった時に「ロッドじゃないかなぁ」言ってくれた釣友との会話で出た結論でもあります。
では、「バイトを弾かないロッド」に求められる事とは…
- 魚からのバイトの衝撃を吸収出来る様にティップは柔らかいもの。
- ティップは柔らかくとも、魚を寄せるバットのパワーは必要。
- 感度が良いもの。
- ロッド自体の重量の軽いもの。
ここまで解くと、魚へ違和感を与えない事を目的とするならば、ロッドに求められる事がただ柔らかいだけではない事に気付けるのではないでしょうか。柔らかさ以外にロッドに求められるもの、それはロッドの感度と軽さです。より感度が良ければ魚のバイトに気付きやすく、軽ければ釣り人を疲れさせないので高い集中力を保てて、故に魚のバイトに気付きやすく対処がしやすいと思います。それならば、場合によっては釣り人の手や腕の柔らかさをもってバイトを弾かない様にする事も少なからずとも出来るとも思うのです。
因みに今記事に取り上げたヒラスズキ狙いのロッドで言えば、上記の事項に挙げた様に、ティップは柔らかく、魚を寄せる為のパワー、良い感度、ロッド自体が軽い事等が単純に求められますね。
やはり、専用のロッドってそれなりに考えて作られている事を知る。
そして僕は、ヒラスズキ釣り狙いのメインロッドを「ダイワ ロッド ジグキャスター MX 106MH」から「ヤマガブランクス(YAMAGA Blanks) ロッド バリスティック・ヒラ 11MH TZ/NANO」へ変更する事となりました。(今記事投稿時現在)
めちゃくちゃ優秀なロッドです。価格もそれなりにする高級ロッドですが、感度抜群で軽く、ルアーウェイトが8〜50gと、柔らかいティップを持ちながら、パワーもすごいというヒラスズキ狙いにはもってこいなロッドです。今記事のテーマの、魚からのバイトを弾かないロッドとしても、ヒラスズキ狙いにおいては抜群なロッドに思っています。
実のところ、僕が思った事はロッドメーカーからすれば的が外れている事もあるとは思いますが、僕としては、流石!分かっているなぁ!と使う度に思うロッド…、いや、すげぇなこのロッド…、と感動するレベルです。これでバラしても、ロッドのせいには出来ないなと思っている位です。
だいぶ、長くなってしまいましたが、ロッド選び、魚のバラし減等に役に立ててくれたら嬉しいです。