とある釣行の日、僕は面識のないある男性の隣りで釣りをしていました。
おそらく40代半ばの男性Aさん。
そしてその男性の隣りにはもう1人その男性の釣り仲間Bさん(おそらく40代半ば)がいました。
登場人物は僕とAさんBさんの3名です。
そして、Aさんはほとんど釣れていない中、僕は、ちょびちょび釣っていました。
Bさんもちょびちょび釣っていたと思います。
それで僕が釣る度、
「上手いなぁ」
とAさんは言う様になり、そのフレーズから
「やっぱり上手いなぁ」
に変わり、また僕が釣り続けると、
「あんまり釣らないでよ〜」
に変わって行く様になり、その頃にはAさんと僕は打ち解け、釣具とかの話しをする様になりました。
そんなこんな色々話しなどをする時間が重なると、今度はちょびちょび釣っていた僕にもなかなか魚の反応が取れなくなってきました。
そして、しばらく釣れない時間が続きました。
僕だけでなく、Aさん、またその隣りのBさん、3人とも釣れない時間が続きました。
そして、更に釣れない時間が重なると、Aさんは竿を置いて椅子に腰掛けました。
でも僕とBさんは釣れない中でも竿を振り続けていました。
Aさんは言います。
「何だよ〜、2人して釣れないのかよ〜」
そして、僕もBさん2人ともほんとに釣れない中、Aさんが椅子から立ち上がり、Bさんの釣り道具を眺めながらのひと言。
このひと言が数年経った今でも僕が覚えているフレーズです。
「おい、どれが一番釣れないルアーだ?」
「おーし!じゃぁ俺がそれで釣ってやる!」
僕はこの時ばかりは笑ってしまいましたね。
ましてや、3人して全く釣れない状況の中、更に釣れない事に拍車を掛けた行動です。
何だか開き直った先にある軽快な空気を僕は感じたのを思い出します。
結局、Bさんの一番釣れないルアーとされているルアーでAさんは魚をキャッチする事はありませんでした。
ですが、Bさんの釣れないルアーとされているルアーでAさんが過ごした数分間、さぞかし、エキサイティングだった事でしょう。
Bさんもきっと、少しはワクワクしていたかもしれません。
こういうの、僕好きです。
この場合、ひとりでこの様な事をやるより、2人以上でこれが出来るとこの面白さは倍増するでしょうね。
まだまだ釣りの楽しみ方はたくさんあるはずです。
是非、あなた独自の楽しみ方、見つけてみて下さい。そして、その楽しみ方がこうやって広がると、面白いです。
釣りの楽しさは、たくさん釣る事だけが楽しい事である、という事は正解にはなりません。
楽しみ方は無限大にあると僕は思っています。
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